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高性能なコーティング
墓石石材の劣化防止はコーティングだけ
要素の1つ目に高性能なコーティングを挙げているのは、墓石石材を劣化から守り良好コンディションを維持すにはコーティング加工(保護加工)が最も重要だからです。
現在、屋外墓石の劣化を防ぐ方法としては、コーティング加工しかないと言っても過言ではありません。
屋外墓石の劣化原因の殆どは雨(酸性雨)によるものです。極論、雨に打たれさえしなければ殆ど劣化しません。墓地にある五輪塔の「水輪」を見ればそれが良く解りますし、安山岩の水輪ならば一目瞭然です。
この過酷な環境下から墓石石材を守るためには、より耐久性が高く天然石に最適にマッチした高性能なコーティング加工が必要不可欠な要素です。
年中酸性雨に打たれた墓石と酸性雨を防いだ墓石の5年後、10年後の状態の違いは容易に想像することができます。
マイストーンのコーティングアイテム
マイストーンで使用するコーティングアイテムは、販売を目的に作られたものではなく、石の最良保護のみを目的として「これ以上ない物」を目指しコストを度外視して作られたものです。
よって市販のコーティング剤に多く含まれる有機溶剤は殆ど含有されておらず、殆どが有効成分であるため効果・耐久性が極めて高く、施工後の変色等の影響も心配ありません。
また、より天然石への最適化を突き詰めるため、原料も日本製に限らず外国製までを吟味し、より最適なものを採用しその性能を高めるために高いフォーミュレーション技術で配合も最適化されています。まさに天然石材用の究極のコーティングアイテムです。
石に合わせたコーティング施工
マイストーンのコーティング施工では、石の特性や状態に合わせたアイテムや工法を用いその石材物に最適な加工を施します。
1つのアイテムで一辺倒な工法では、石毎の最適化は図れません。
マイストーンでは石材物の「表面加工種類」「石種(吸水特性)」「部材部位」の観点から最適な方法で施工します。
表面加工の種類に合わせる
墓石石材には様々な表面加工・彫刻加工が施されています。特に表面加工には本磨き・水磨きだけでなく、ビシャン・のみ切り・小叩き等々の叩き仕上げ、粗面仕上げや割肌仕上げといった多種多様な工法技術で石材物の味わい深い風合いを醸し出しています。この風合いを損ねない様なコーティングアイテムを選択し施工することが重要となります。
本磨き面はその艶や深みをさらに高め石の表面劣化も防ぐ浸透被膜型のアイテムで施工しますが、本磨き以外の水磨きや叩き仕上げ等は濃色化し艶やテカりが出てしまうためこれは使用せず、2種類の浸透型吸水防止アイテムで施工します。
石種(吸水特性)に合わせる
墓石石材には主に御影石が使用されますが、花崗岩だけでなく安山岩や閃緑岩・斑レイ岩・大谷石等の凝灰岩もあり石種も多種ありその特性も多様です。
特に吸水性という特性によって施工方法や手順が変わってきます。例えば本磨き面の白御影石で吸水率も同レベル、石目も似ている石種であっても、浸透被膜型アイテムで施工した際の濃淡に違いが現れたりします。浸透度合いがまばらなものや均等的なものもあり、仕上りに違いが出るのです。その浸透状態によっては浸透型のアイテムをベースコートしてから本コートすることもあり、施工回数を変えることもあります。
また吸水率の低い石種は石の内部は傷みにくい反面、本磨きの各天端面等は雨水が滞留し易く石の表面が侵され易いので浸透被膜型アイテムによる施工は必須です。さらに汚れを付きにくくするために、その後帯電防汚コートを施す場合もあります。
また叩き仕上げ面等の施工では、吸水率や細孔の大きさ・鉱物の成分によって浸透型アイテム2種類を使い分け、あるいは併用して施工します。
部材部位に合わせる
墓石部材は石塔部材、外柵部材、墓誌や灯篭等の部材がありますが、新規建立や新部材施工時は基本建付け前に全ての面を施工する方法が最も効果的です。各部材の合端・合口等、建付け後には手が入れられない箇所からの水の吸込みや吸上げを防止できより完全性が高くなります。
石塔類は本磨き面と字彫・彫刻箇所は異なるアイテムで施工します。最適な方法としては彫刻をする前に全面をコーティング施工し、彫刻後に彫った箇所だけ別施工するのが理想的です。彫刻箇所にペンキが入る場合はこの通りではありません。花立・水鉢・香炉等の底面や花立の落とし込み穴の中も吸水防止のため施工します。
外柵部材は特に腰石や階段・敷石等、底面や裏面からの水の吸上げを防ぎ濡れジミ化を抑えることが重要なので、建付け前に裏面や小口の防水処理は必須です。親柱や羽目部材なども同様です。モルタルとの密着性や耐久性に問題がなく且つカビ等を抑える抗菌剤が配合された水性の無機系アイテム等で加工処理します。また拝石もカロート内の水分を吸い上げ易いため全面施工が最適です。
石塔を外し再研磨した石塔等も、基本的には建付け前に全面を施工します。また既存墓石は全面の施工は不可能ですが、事前にクリーニングで汚れを除去し乾燥させた後施工することで、外からの雨水の浸入を防ぎその後の劣化を大幅に抑えます。クリーニングで終えてしまうと、経年の鉱物劣化により水を吸い易くなっているため更に劣化が加速してしまいます。基本的にクリーニングとコーティングはセットで施工することが既存墓石に最適なケア方法です。
コーティングアイテムの紹介
マイストーンのコーティングに使用する主なアイテムを紹介します。
100%無機系 浸透被膜型コート剤
ガラス系のコート剤で主に本磨き面に使用するアイテムです。細孔に浸透し且つ超硬な被膜を形成することで吸水による内部劣化だけでなく表面劣化も防ぎます。また紫外線劣化にも強く色褪せし易い石種にも最適です。石種の吸水特性によって濃色度合が変わります。
成分はケイ素の高分子化合物で、フレキシブル性があり素材との密着強度や追随性が高いうえ、石材の湿気分を蒸散するメカニズムのため剥がれにも強く、ほぼ全てが無機系化合物のため耐久性・耐候性も高いコート剤です。また被膜硬度が花崗岩同等の超硬度を持ち傷にも強く、天然石材への最適化が図られています。
最近では石材向けのケイ素化合物系のコート剤もいくつか散見されますが、天然石専用になっていないものが多く、本磨き面への浸透や根付きが浅かったり、また施工方法や作業性も最適化という点で不十分です。また被膜硬度に重点を置いていなければ、歩行傷や掃除傷も付き易く墓石石材に最適とは言えないでしょう。
100%有効成分 浸透型コート剤
フッ素シリコーンの吸水防止コート剤で主に水磨きや叩き、切肌等に使用するアイテムです。本磨き面に使用することもできます。
小さい細孔にまで浸透し色ムラも起きず風合いが全く変わりません。また吸水性の高い石種の本磨き面を先の浸透被膜型アイテムで施工する際、濃色化を軽減するためベースコートとしても使用されます。
成分はフッ素とシリコーンの結合体がほぼ100%なので、市販のフッ素とシリコーンがバラバラになった混合体が10%~20%程のコート剤と比べ、吸水防止性や耐久性が圧倒的に高くなっています。
水性 無機系浸透型コート剤
水性の反応型吸水防止コート剤で、本磨き以外の面に使用するアイテムです。
比較的大きい細孔に充填され無機成分が形成されるので、大谷石等の防水や外柵に使用される白御影石等の底面や裏面からの吸上げ防止にも最適です。
成分そのものが防水作用をするのではなく、石材の成分と結合して生成された無機成分が吸水防止作用として働く仕組みです。より小さな細孔も併せ持つ石種には、先のフッ素シリコーン浸透型コート剤と併用しさらに吸水防止性を高めることもできます。
帯電防汚コート剤
ガラス系浸透被膜型コートを施した場合のみ使用するコート剤で、雨水や汚れが浸み込まなくなった分表面に汚れが残りやすくなるため、プラスの電気を帯びさせて汚れを反発させ付着しにくくするコート剤です。また表面に残った汚れも除去し易くなります。
性質上滑りやすくなるため必ず建付け後に施工し、且つ階段や敷石には使用しません。