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石を傷めないクリーニング
クリーニングで石を傷めては意味がない
現在墓石クリーニングは徐々に普及しつつありますが、その施工方法も様々です。
どのような施工方法であれ、そのクリーニングが原因で後々石を傷めてしまっては元も子もありません。
実際、クリーニングした後「黄色く変色した」「艶が飛んだ」「色が抜けた」等、業者様からその様な話を耳にしますが、それが意外にも少なくない事に驚かされます。クリーニング直後ではなく数週間あるいは数か月経過後に傷みが現象として現れるので原因の出所が掴みづらいですが、クリーニングを境に短期間で出てきた変色等は施工に要因がある可能性が高いと言えるでしょう。
またクリーニング業者でも、以前は洗剤を使用して施工していたが変色等の不具合が出たため怖くなり、今は洗剤は使わず施工していると・・・これでは業者にクリーニングを依頼した意味はあるのでしょうか?
水だけで洗うのであればお墓の持ち主でもできなくはありません。やはり水だけで洗うより石材用の洗剤と物理的アイテムを併用したほうが間違いなく汚れ落ちは良くなります。
石という素材は扱いが難しいと言われます。現に清掃メンテナンス業界でも石材を敬遠する業者もいるほどです。マイストーンでは正しい知識と技術で正しく施工をする事で、石を傷めることなくクリーニングすることができるのです。
クリーニングで石を傷める要因とは
クリーニングで石を傷めてしまう原因は、洗剤の選択とその使い方です。
洗剤の要因
市場には様々な洗剤が出回っていますが、石材用と謳っていても石を傷める度合いは様々です。例えば水垢等の無機汚れ除去に使用する酸性洗剤は鉱物を酸化させやすく、酸で鉱物の成分が溶脱し錆の発生や艶飛び等、石を傷めるリスクが非常に高くなります。
ほとんどの酸性洗剤は、酸に弱い「大理石」には使用不可となっており、確実に鉱物を溶かす作用があるという事です。またアルカリ洗剤も同様に、アルカリ性でアルミ等の成分が溶け変色したりすることもあります。安心と思われがちな中性洗剤であってもキレート剤等の石を傷める成分が多く含まれていることも少なくありません。「中性洗剤だからアルカリ洗剤だからどれでも大丈夫」というものではないのです。
また、異なるメーカーの洗剤を併用すると思いもよらない反応を示し傷めてしまうケースもあります。
洗剤の使い方による要因
どんなに優秀な洗剤であっても、それを正しく扱えていなければ石を傷める結果になります。特に使い方で傷めるケースが多いのは酸性洗剤を使用する「酸洗い」です。
基本酸性洗剤は、無機汚れの箇所のみに使用しできるだけ短時間で使用しなければなりません。それを充分な水打ちも行わずに酸性洗剤を全ての箇所に塗布したり乾いたら塗布を繰り返す等、必要以上に酸性洗剤を浸み込ませてしまっているケースが散見されます。
その後も基本の「中和洗浄」が不十分であったり、強アルカリ洗剤を原液のまま中和洗浄するといった誤った使い方をすれば石の傷みは避けられません。こと墓石においては建築石材の様に薄い石板ではないので、浸み込んだ酸性洗剤を完全に中和することは難しく、中和されずに残った酸の成分は永久に無くならないためそこから鉱物が傷み始めます。
また有機酸だからといって決して安全とは言えません。有機酸の石への攻撃性はマイルドですが、浸み込んだ洗剤が後からゆっくりと作用してくるので必ず中和は必要です。
アルカリ洗浄であってもph値12を超える洗剤は、事前に水打ちを行う必要があるのです。
マイストーンの洗剤アイテム
マイストーンで使用する洗剤アイテムは市販の洗剤メーカーのものとは異なり、数十年にわたり多数の現場や多数の素材を手掛けながら洗浄効果や石への影響を研究し、改良を重ねブラッシュアップしながら開発されたアイテムです。
よって本磨きのツヤを傷めない酸性洗剤やアルミやシリカを傷めないアルカリ性洗剤、一般のアルカリ性洗剤と同等の洗浄効果を発揮する中性洗剤等が生まれ、他にも画期的な洗浄アイテム群を有します。
石を傷めないクリーニング施工
マイストーンのクリーニングでは「石を傷めない」を最優先するため、「汚れ」と「劣化」を適切に判断したうえ汚れの種類を見極めて施工します。また、クリーニング後の劣化を防ぐためコーティング施工を前提としたクリーニングが基本コンセプトです。
業者によっては「どんな汚れでも落とします」と謳って、鉱物劣化による変色箇所も強い洗剤で鉱物ごと溶かしながら除去する荒療法も散見されますが、これは石の組成を確実に破壊し石をボロボロにしているだけです。
そればかりかその後も施工の影響で鉱物劣化が生じてきます。鉱物劣化の変色なのか、外部からのシミによる変色かを見極めて適切な方法により対処しなければなりません。鉱物劣化は元には戻らないので、これ以上劣化が進まない様な対処を優先します。
汚れの種類によって適切な各洗剤アイテムを選択し洗浄を行いますが、いくら傷みにくい優秀な洗剤であってもそれをむやみに使用することはありません。使用箇所や石の状態から使用可か否かを適切に判断します。特に墓石の水垢汚れは何十年という年月で堆積した無機汚れであるため、酸性洗剤とブラッシングですぐに除去できるレベルではない場合が多いので、研磨ツール等を使用した物理的方法や石に傷が付かない特殊コンパウンド剤を使用する等して除去します。
また墓石の表層内部にはカビやコケ等の菌類が内在していることが多いため、除菌抗菌剤が配合された中性洗剤を使う等して除菌洗浄も行います。
クリーニング洗剤アイテムの紹介
マイストーンのクリーニングで使用する主なアイテムを紹介します。
中性クリーナー
除菌抗菌剤が配合された石に安心な万能洗剤
一般的な洗剤の様に「汚れを溶かす」のではなく「剥離させる」作用で汚れの再付着を防ぎます。一般のアルカリ性洗剤同等の洗浄効果を発揮します。
アルカリクリーナー
鉱物を傷めない有機汚れ用特殊アルカリ洗剤
泥汚れ・油汚れを強力に除去し、鉱物内の金属成分や石の主成分シリカを傷めず使用できます。酸洗い後の中和洗浄や漂白促進剤と併用してシミも除去できます。
強力アルカリクリーナー
油ジミも除去できる特殊アルカリ洗剤
特殊浸透剤が配合されているので、根をはったカビ・コケの除去もでき、石材内部の除菌殺菌にも使用できます。
酸性クリーナー
本磨き面に使用してもツヤが飛び難い無機汚れ用特殊酸性洗剤
屋外石材の水垢や黒ずみを除去し、特殊防錆剤配合により酸による石の金属成分へのダメージや変色を抑制するので、御影石も傷めずに使用できます。
錆び除去剤
素材を傷めない中性のサビ除去剤
錆び部分に反応し錆を強力に除去します。基本的にはもらいサビ除去に使用しますが、鉱物サビも状態により除去できます。
シミ抜き促進剤
シミの除去やアク洗いにも可能なシミ抜き剤
アルカリクリーナーを添加剤にしシミ抜き剤として使用します。水溶性のシミやアク染み除去用なので、油染みには別のシミ抜き剤を使用します。
その他のアイテム
他にも塩素系カビ・コケ除去剤、強力酸性クリーナー、油ジミ除去剤各種、コーティング除去剤 等があります。