ホームお知らせ ≫ 有機・樹脂系被膜コーティングの墓石への影響 ≫

有機・樹脂系被膜コーティングの墓石への影響

樹脂系コーティング墓石
樹脂系コーティング天端汚れ樹脂系コーティング墓誌台天端上の写真は、墓石クリーニング相談を受け現地確認した墓石の写真です。
上台の天端や墓誌台の天端の汚れがやけにひどく付着していることに何か違和感を感じます。
その後クリーニングすることとなり作業をしていくと、そのひどい汚れの要因が判明。
上台から下の部材と、墓誌台が以前被膜コーティングされており、棹石は再研磨されている様でした。
その被膜コートも、有機成分や樹脂系成分が多く含有された被膜コートで、被膜厚もかなり厚い膜で覆われており無機汚れだけでなく有機汚れ成分までもコーティング膜にこびり付いてしまっていました。
汚れを除去した写真がこちらです。樹脂系コーティング天端黄変
天端の汚れは除去しましたが、上台天端をよく見ると黄色く変色してしまっています。
膜厚がかなり厚いので#6000のダイヤの研磨パッドで研磨すると膜も無くならずかなり艶が上がりましたが変色は当然取れません。
水も洗剤も染込みませんので、シミ抜きやサビ抜き作業というわけにもいきません。
そう、これは被膜されたコート剤自体が紫外線や汚れで黄変したのです。

こういった石材用の有機・樹脂系の被膜コーティングも以前から出回っておりますが、屋外墓石への施工は要注意です。
ここで有機・樹脂系被膜コーティングのメリット・デメリットをまとめてみますと、

【メリット】
 ①基材との密着性が良い(施工時)
 ②乾燥が早い
 ③膜厚が厚い
 ・適した環境:屋内の石材物(テーブルトップ、カウンター、床等)

【デメリット】
 ①有機汚れも付着・密着し易い
 ②紫外線で黄変してしまう
 ③石の呼吸を止めてしまう(石材の水分が蒸散できない)
 ・適さない環境:屋外の石材物(紫外線や水に接しやすい環境)

被膜型のコーティングは吸水を防ぐだけでなく石の表面も保護するので、本来屋外墓石には最適なコーティングですが、有機・樹脂系の被膜コーティングを墓石に施してしまうと、上記のデメリット点が墓石を傷めたり美観を損ねたりしてしまいます。
特に石の呼吸を止めてしまうので、石内部の水分が蒸散できず、そこから菌類が繁殖し広がりやすいので万年濡れジミ色になってしまいます。この墓石も外から水が染み込まないにも関わらず、上台から下はすでに濡れた色のままでした。
また黄変してしまうと元に戻すことが非常に困難で、コーティング被膜を一度全て剥離しないと改善できなくなります。

屋外墓石の保護にはコーティングが最適ですが、施工の際は是非、墓石に適した石の呼吸を止めない無機系被膜コーティングをおすすめします。

 
2023年03月13日 14:23

営業時間

9:00~18:00

定休日

土・日・祝日

運営会社情報はこちら

ブログカテゴリ

月別ブログアーカイブ

2025 (0)

モバイルサイト

Meistone/マイストーンスマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら