墓石コーティング:浸透被膜型コーティングの湿気蒸散性能の事例
今回その事例をご紹介します。
下の写真は、墓石部材の梱包に使われている緩衝材です。梱包をバラす前に雨に濡れてしまい数日間そのままの状態でした。コーティングするためいざバラしてみると、墓誌の背面にくっきりと緩衝材跡が残ってしまっていました。
実はこの緩衝材に悩まされている石材店の方は少なくないんです。緩衝材の成分(油性分)も一緒に浸み込むので水分がより抜けづらくなります。何とかしてほしいものです・・・
この石種は中国山崎という石で、吸水率は低めですが鉱物や石目がとても細かいため雨水が浸み込むと極細な細孔に広がりなかなか乾きません(奥深くまでは浸み込みませんが)
この時も工業用ドライヤーで熱しましたが結局抜けませんでした(2番目写真はドライヤー後)
施工日がこの日しかなかったのとドライヤー乾燥でコーティング剤が浸み込む深さの水分は抜けたと判断し(このコート剤は水よりも浸透は浅い)、浸透被膜型のコーティングを施工。
翌々日に据付予定でしたので、翌日は天日に当てておいて頂くよう依頼しておきました。
据付当日に確認すると、緩衝材の後も無くなり水分はしっかりと抜けています。もちろんコーティングもきちんと効いています。
被膜系のコーティングは石の表面を覆ってくれるので劣化防止性はさらに高くなります。気を付けなければいけないのは、湿気分を外に逃がすメカニズムを持ったアイテムを使用することです。
ガラスコートと呼ばれるものの中には、そのメカニズムを持っていないものもあり、コーティング膜が剥がれたしまったり残った湿気分が腐って菌が繁殖したりと、石に悪影響も及ぼします。
浸透性が高く(根付きが良い)さらに形成被膜が超硬で、石に悪影響を及ぼす有機溶剤を含まないマイストーンの浸透被膜型コーティングは、まさに墓石コーティングの最高峰です。
2021年06月16日 16:43